岩手医科大学形成外科
Carreer Path
医学生・研修医の方へ

形成外科の
明るい未来を切り開く

本学の初期研修プログラムにおいては2年次に当科を選択することも可能になっていますが、卒後3年目からの後期研修から専門領域として学んでいく方がほとんどでしょう。われわれと共に奥深くやりがいに満ちた形成外科の世界にどっぷりつかってください。外見上のハンディキャップをお持ちの患者さんを何とか救いたいとお思いの方、ある意味マニアックな世界に興味のある方、大歓迎です。手術は特技ではありません。修練を積めばだれでも修得できます。

岩手の県名は、その昔村人の請願により神様に退治された羅刹鬼が、二度とこの地を荒らしませんという約束のしるしを、大きな「岩に手形」として残した事に由来すると言われています。皆さんも鬼の棲む地岩手で形成外科の創造性豊かな世界を一緒に学んでみませんか?

4年間の形成外科研修による専門医取得

以下のカリキュラムに基づいて形成外科専門医の取得を目指していただきます。

1. カリキュラムの目標

形成外科専門医取得に必要な形成外科的知識、技能を習得することにあります。

2. カリキュラムの概要

形成外科専門医取得に十分な臨床修練を4年間で達成する事が基本目標ですが、単に専門医取得に係る症例経験を有するに止まらず、手術を中心とする診断・検査を含めた思考能力のある形成外科医を育成します。修練期間中に論文1編以上、学会発表数回を課し、形成外科的思考能力の育成を計りつつ、後半の2年間は希望により専門性を持たせた他施設研修を可能としています(研修期間1年以内)。

3. 研修内容

特長

修練期間中は経験10年以上の専門医を長とする診療グループをローテーションして研修していただきます。指導医のもと、外来では診察に付き添い、診断・治療方針決定の考え方を学び、治療方針の説明、術後経過の説明を通して患者との良好な人間関係構築の手法を習得します。また、病棟では指導医とともに数名の入院患者を受け持ち、診察を行い、必要な術前検査の計画と実施、診断、手術計画の立案、術前検討会でのプレゼンテーション、患者とその家族への説明、術者あるいは助手としての手術への参加、術後の病状説明、管理、形成外科的創処置、退院後の生活指導等に携わり、形成外科的疾患の診断、治療の流れを経験、理解できるようにしていきます。また当直を担当し、指導医とともに顔面・四肢外傷、熱傷等の救急医療も学ぶことができます。

各グループは一般的形成外科疾患(グループ共通)と専門疾患(グループ固有)を担当するため、専門疾患を含む一般形成外科疾患を偏り無く研修するカリキュラムとなっています。研修の指導は各グループの長が担当し、手術を含めた全ての医療行為は指導のもとに修練することを原則としていますので、きめ細かな研修が可能です。

修練の内容

初めの半年間は一般的周術期管理に加え形成外科的創処置法を学んでいただきます。2年次終了までに経験する代表的手術症例は、外傷の創処置及びデブリードマン・縫合、鼻骨骨折、頬骨弓部骨折、新鮮熱傷のデブリードマン・植皮、先天性及び後天性良性腫瘤の切除・縫合、簡単な局所皮弁移植などです。3―4年次は形成外科専門医制度に係る手術症例を経験していただきます。則ち、多指症や合指症、簡単な耳介変形などの先天異常、頬骨骨折、下顎骨折、皮膚軟部組織損傷等の新鮮外傷、悪性腫瘍の切除と再建、難治性潰瘍の治療などです。手技としては、瘢痕拘縮に対する全層植皮術、島状皮弁を含めた局所皮弁移植術、腹直筋皮弁、広背筋皮弁等汎用する皮弁の挙上手技などです。

岩手医科大学形成外科専門医研修習得目標

習得すべき手術手技 担当する主な疾患
1年次 切除・縫合の基礎手術手技、助手としての基本介助手技、外傷の処置、簡単な先天異常・良性腫瘍など 小腫瘤、新鮮外傷、各グループでの取り扱い疾患
2年次 潰瘍に対する植皮、骨折整復の簡単なもの、簡単な局所皮弁、レーザー治療など 新鮮熱傷・外傷などによる潰瘍、鼻骨骨折、頬骨弓骨折
3年次 簡単な動脈皮弁の挙上、局所皮弁法、顔面骨折の複雑なもの、四肢・顔面先天異常に対する手技など 母斑・腫瘍切除後などの欠損の再建、瘢痕拘縮の治療、褥瘡
4年次 各種先天異常の再建、皮弁・筋皮弁を用いた再建、動物実験による微小血管吻合手技、微小血管吻合を要する疾患の助手・執刀など 先天性疾患、頭頸部再建、皮弁移植を要する各種疾患
*専門医の受験資格となる10症例の執刀は、3年次終了時を目安としている。

4. 教育に関する行事

症例検討会 1/週、病棟教授回診 1/週、抄読会 1/週。
外来診察・病棟回診・手術は各グループ毎に担当する(定期の手術日は週3.5日)。

5. 指導責任者ならびに研修指導医

形成外科指導責任者: 櫻庭 実(教授)
研修指導医:小野寺 文、本多 孝之

当科における研修の特長

様々な形成外科疾患を網羅

なんと言っても、様々な形成外科疾患をまんべんなく網羅できている点にあります。施設によっては集まってくる疾患に偏りがあって、認定医申請に必要な8項目がそろわないこともあるようですが、当科ではそのようなことはありません。

充分な収入

収入は助教または専門研修医として採用され、さらに当直や外勤によって生活に充分な額が得られます。

偏りのない技術・考え方

上記の専門医取得カリキュラムでも触れられていましたが、他施設での研修や留学の希望があれば対応しており、偏りのない様々な技術や考え方が教室に還元されています。

大学ならではの手術

大学ならではの大がかりな手術、大学でしか見られないような手術をチームとしてやり遂げることができる点も大きな魅力です。

大学院への進学をサポート

また、大学院への進学を考えておられる方にも対応しております。


少しでも興味を持たれた方は、ぜひご連絡ください。また、すでに他科で修練を積まれている方でも形成外科にご興味があればいらして下さい。
共に形成外科の明るい未来を切り開きましょう。